エアドロの時代の転換?

 エアドロの時代の転換

最初編集日 6/17


▸概要

今回の記事はこれまでのチュートリアル性の強い記事とは違って、エアドロの本質及びエアドロというトークン配布の方法の未来について予測していこうと思っています。

具体的にカバーしていく内容は

・エアドロとは何か

・エアドロで利益を上げられる主体とは誰か?

・エアドロの転換点

・エアドロについて予測可能な未来


の4点になります。できるだけ詳しく初めて仮想通貨を触る人にも理解しやすいように書いていきますのでぜひ最後まで読んでみてください。

初心者にもわかりやすいということなのですが、この界隈ならの用語がどうしてもありますので括弧で括って説明しています。


▸エアドロとは何か

少し大まかですが、仮想通貨の商品(主に伝統金融業から逸脱したDefiの商品)を作っている会社がベンチャーキャピタル、初期投資家及び私たちのような早期参加者に自社株を添付条件なしに配布するということです。

この記事を通して一見簡単そうなロジックの後ろに関係者たちが一体どのような相関利益、考えをしているかを分析していきます。



▸エアドロと関係者の利益関係

・概要

先ほどの段落でエアドロとはトークンを早期の支持者に自社株を配るということと言いましたが、他にもIEO(仮想通貨の取引所で自社株をあらかじめ決定した値段で投資家に販売するということです、伝統金融業のIPOと非常に似ています)、IDO(取引所ではなく、大型なブロックチェーン上の取引所で初めて自社トークンを販売するということです。非常にICOと似ていますが、傾向から言うとそこまで注目されないトークンがIDOをやりがちです。)があります。なぜ多くのPJはエアドロを選んできたのかについて理解していない方も多くいます、この段落でエアドロの利点を中心にみていきます。


・利点1マーケティング

正直を言うと現在のDEFI商品(DEFIとは伝統金融業と異なって、相対的に規制の緩い金融領域、ハイリスクハイリターンの世界ですHigh risk, high return)はかなり成熟しています、プロジェクトが新たにこの領域に参入し成功しようと思えばすでに成熟しているスマホ業界でアップルを超えるような製品を作成するというほど難しいです。

中にはPendle Financeのような成功例がありますが少数といえます。ではどのようにかつての業界のNo.1から客を奪い取るかと言うとSuccessful Marketing Strategy、つまり成功的なマーケティング戦略です。エアドロはこれの最も有力な手といえます。

仮想通貨業界のメディアでも、週刊文春といったようなWeb2のメディアでも求めているのはアテンションに他ならない。では空から金が降ってきて30万人がエアドロで一夜爆儲けほど人目を引く記事はありますか?

もちろん現実はこのヘッドラインの10倍ほど複雑ですが、このヘッドラインはプロジェクト側にとってのもっとも有効的なマーケティング手法の一つになります。

私の一面的な話ではそうなんだとしか思わないと思いますので実際のデータをみていきましょう。


これはブロックチェーンOptimismのユーザチャートです。2022年の5月でエアドロをしましたがわかる通り、その日からユーザが激増しています。


Arbitrum は今年の三月でエアドロしていますが、全く同じトレンドが見えると思います。


 
他にも全く同じケースはトークンの換金サイト、DEXであるSushiswap、Uniswap、NFTのマーケットBlurが挙げられます。最近であるとArkhamのエアドロで全世界で話題になっています。もちろん成功例だけではなく、エアドロして失敗するという問題点があります、後ほどの段落でお話しします。


・利点2 米SECからの規制を受けないため

太平洋の逆側にあるアメリカでは仮想通貨の規制で意見が激しく分かれています。SEC (U.S. Securities and Exchange Commission=有価証券を規制する米国政府機関)は$BTC以外の主流仮想通貨の大部分をunregistered security=規制されていない有価証券と定義し、規制をしようとしています。

争点はSECは法的先例のない主張を根拠にし、アメリカの2大取引所(CEX)Binance.USおよびCoinbaseが違法で有価証券を取り扱っていると主張し、起訴をしました。

主な起訴原因として提起された有価証券はBNB, ADA. Matic, BUSD, Sandなどあります。

この訴訟が直接原因で、2000万人のユーザを超えている仮想通貨を含め、広範囲の金融商品を提供しているRobinhodはCardanoの$ADA、Polygonの$Matic、Solanaの$SOLトークンを取り扱うことをやめることを発表しました。


この発表を受け、3つのトークンは当日20%以上の暴落を記録しています。



根本的い言いたいことは、SECから証券として認定されれば流動性の充実している取引所、CEXからでは取り扱えない可能性が生じます。流動性がないとトークンに実際の価値はつきません。であればもちろんですが投資していたVCも利確できないし、チームも利確できません。

では一体どういう要件を満たすものをアメリカでは証券と定義しているのだろう。

アメリカにおける証券の定義とは1946年のHowey vs SECという訴訟で確立したHoweyの4要件を全て満たす必要があります。以下のスクショはその4要件の日本語翻訳版になります。

もしIEOやIDOなどをしてしまった場合、こちらの4要件を満たしやすいとされています。(一つの主体がある増額する可能性が期待されるトークンを一定の額で販売しているため)

一方、エアドロはフリーでトークンをユーザに渡しているという体なので、この概念に当てはまらないのではとこれまで信じてきました。SECから証券と認定されないことはつまりCEXからの上場審査を通りやすいということになります。


しかし近日SECの動きでこの動きを疑問視することもあります。
先述の通り、SECはBinance USを起訴したとともに、BUSDを含む多くのトークンを有価証券と規定しました。

しかしBUSDとはステーブルコインで、米ドルと同じ価値で連動しています。ステーブルコインを投資して何かリターンを期待するというのは明らかにおかしいことにもかかわらず、証券として位置づけられている。であればエアドロされた主にDAOのガバナンストークンとして使用されるものの未来もあやふやになっています。


・利点3 流動性

ブロックチェーン上でトークンを新たに作ることは小学生でも5分以内でできます。しかし一つのトークンが実際に価値を持つには取引する需要がないとまず成立しません。つまり一般投資家から得られる流動性が全てのトークンにとって必須ということです。

現時点で自家トークンを個人投資家に流すにはICOとエアドロの二択です。ICOは先言ったようにSECからの規制のリスクが高く、現在ではそこまで好まれない、エアドロはICOに次ぐ手になります。

ICOと本質的には全く同じだが、規制のリスクが少なく、流動性、需要をつくり上げることができる。つまり最初の投資家およびVCにもギブバックできることです。




・利点4 Decentralization、DAO化

Decentralizationを日本語に言い換えると非中央主権化になります。つまり権力を上からしたの人に譲渡するという形です。これまでのシステムはGoogle、アップルをはじめとするGAFA企業が大きな炎上がない限り好き放題をやっている。これに対し、自由を高めようとする仮想通貨業界は簡単にガバナンストークンと呼ばれるもの(現実世界の株と同じです)を一般ユーザに保有させて投票を行わせること。ですが、IPOと全く同じやりかたをすると一般ユーザはあまり参加できない可能性がありますので、一定額をこれまでの利用者のお財布にそのまま配布するという形で配ってしまうという手法が主流になってきました。

なお、Decentralizationはどこで聞いても良さそうの言葉に聞こえますが、実際ただの言葉ゲームという指摘もあります。エアドロに当てられる割合の大体は10%なので、実際コントロール権を握っているのはあくまでもチーム側とVCです。

その上エアドロをうけて実際ガバナンスに参加したい人はどれぐらいいるのだろうか、正直10%以下なのではないだろうか。ユーザはなぜUniswap, Sushiを使っているのかは間違いなくトークンスワップの需要があるからであり、煩雑なガバナンスのプロセスに参加したい人を期待したこと時点で不現実といえます。そのためいわゆる非中央集権化ははPJ側のよく使う道徳的な高い場所を取るための述語にしか過ぎないという見方もあります。





▸エアドロの転換点

・概要

中国語圏ではネタにされているのが「币圈一天,人间十年」。意味もまさに名の通りで、クリプトでの1日は人間の十年に等しいということです。少し誇張は入っていますが実際伝えようとしていることはエアドロを継続的に狙っている方達でもわかると思います。

この界隈は本当に情報の流れが早すぎて全てについていくのは難しいです。私もエアドロ期待値の表を作っていますが、普通に多すぎて全部覚えようとするのは無理ですよね。
新規情報チャンネルにもあります。

Arbitrumがエアドロしたのはただの5ヶ月前なのにもうすでに1〜2年ほど経っていると感じてしまいますね。

Arbitrumのエアドロ後もちろんまたまた大金になるようなエアドロはありますが、それと同時に増えてきたのがどれほど時間を費やし込んでも全く期待していた見返りが求められないものが挙げられます。

そもそも考えなければならないことは本質に戻り、プロジェクト側にとって物事を見る必要があります。


・PJの視点に立つ

Arbitrum後、私たちにとって悪いことに大量の新規参加者が参入してきて、その中エアドロ狙いの事務所も大量にあります。幸いなことに今回のSeiとCyberで結構倒産しているのがあるそうです。しかし参加者が毎日1万人ベースで増えていることに変化はありません。

結局エアドロは(何度も言っているように)最終的な決定権は全てPJ側にあり、私たちがファーマーなのかファーミングされている側なのかの境界線もArb後にどんどん狭くなってきます。

最近これほど多くのL2が出て、その上、ほぼ例外なく全てがエアドロ匂わせしているのもそういうことではないか。Baseの30日オンチェーンサマーから





コメント